namoの妄想メモ

Twitterに流すには長い妄想を垂れ流すブログです。

12/1 宗拓本反省会会場(自分の原稿)

青春カップ26おつかれさまでした!
今回の新刊はこれです!私の原稿データは1番最後なんですけど、ゲストのみなさまがさいこうなので見てください!!!!!!

【宗拓】(12/1:青ぷ26)新刊ゲスト本サンプルwww.pixiv.net

ではさっそく反省会開場!!!!!!!!!

 

0. 制作環境

前回の本から特に変更はないです。
iPad Pro 12.9インチ
Apple Pencil(第二世代)
・ネーム用A6ノート
・クリスタ

 

1. この本で取り組む課題

前回まで( 9/15宗拓本反省会会場 - namoの妄想メモ )と同じくネーム(とプロット?)かなあと思っています。というか前回すごいちゃんと書いてあるな……なんだこれは……これと比べると今回は課題とかフワッとしか考えてないぞ……。でもネームまでの工程を1個でいいから覚えるっていうのを達成してないから大枠は変わってないですね。
ゲスト本に載せる原稿だったので「攻めのしりにおもちゃを入れる」みたいな人によってはCPの上下が変わるネタを入れないというルールだけ意識してました(意識しないとやらかす可能性があるからです)。
あ、課題というか小さい目標としてブレイク・スナイダーのビート・シートに従ってプロット&ネームを作成するのを試しています。

この本↓

https://www.amazon.co.jp/dp/484591056X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_iND9DbE1H4E6H

リンク先は映画の脚本術の本で、ビート・シートというのは例えば序破急、起承転結のような構成のことです(たぶん)。
今までやっていた方法( 1/27 「おまえ絶対たぬき寝入りだろ!!」反省会会場 - namoの妄想メモ )を教えてくれたともだちにプロットやテーマがわからないよお〜〜〜〜って泣きついたら「アレは大変にプリミティブなので死ぬほど創作している神のお戯れであって一般人はブレイク・スナイダーでコツコツやるのが吉」と教えてくれました。なので、これって本当に従って大丈夫……!?とか疑わずにブレイク・スナイダーに従ってみるというのが今回の試みです。

 

2. 手順

②③④は私の手順というか概ねブレイク・スナイダー神のありがたい教えなので、上記の本を読んだほうがわかりやすいです。

① スケジュールを立てる

Rollbahnのガントチャート付き手帳を買ったので、本を読み終わる日、プロット、ネーム、下書き、ペン入れ、仕上げを終わらせたい日を書き込みました。意外と時間がないことがわかります。

② ログラインを考える

ログラインというのは「一行で言うとどんな映画?」という質問にバッチリ答えられるストーリーの核心部だそうです。皮肉がきいている、イメージのひろがりがある、お話の規模感と対象者がわかる、パンチのきいたタイトルがついている…etcのチェック・ポイントがあるので十分に満たしているか考えながら練ります。
練ったログラインは対象者に話して反応が良いか試してみろ!ということだったので途中でアンケートをとってみました。

 

全部で5票だったのと、140字制限のこともあり3つとも原案より魅力的な一行ではなくなったなと思ったので最終的に無視して1番ビートシートのネタが思いつくものにしました。
ちなみにその時のログラインは下記です。
"オレよりほかのやつの方が扱い良くねえ!?恋人の自分に自信がなくなった井吹は神童に「本当の気持ちを話す薬」を一服盛ることにし…”
もうちょっと練ったほうがよい気がしているのですが、本当に時間がなかったのでこれで手打ちにしました。

③ ジャンル、主人公、原始的な動機を考える

ジャンル

ブレイク・スナイダーは映画のジャンルを10個に分類しています。一般にジャンルというとホラー・アクション・SFといった雰囲気や視聴者が抱きやすい感情をイメージしやすいものが多いと思いますが、ブレイク・スナイダーのいうジャンルは何が起こるか、どこを目標に収束するかみたいな感じでまとめられています。例えば、「難題に直面した平凡なやつ」「バカの勝利」「なぜやったのか?」とか。
メインの2人が友情や愛情を育むものは「バディとの友情(相棒愛)」とされています。「バディとの友情」は友情だけでなくラブストーリーも含みます。宗拓はアニメが友情を育みタッグを組む過程を見せていると私は思っており、また、CPは基本ラブストーリーになることから、自CPのジャンルはバディものと考えてます。

主人公

主人公の項目ではすでに決定しているはずのログライン・タイトル・ジャンルがもっともおもしろくなるような主人公の設定にしなさいという説明がされます。映画の脚本の本=オリジナル作品の話をしているため、本来は主人公をゼロから生み出す前提なんですね。今回は二次創作で、ログラインを練る前にキャラの設定が存在します。
ので、しんさまといぶきちのどちらが主人公なのか?だけ決めました。主人公は以下の条件を満たします。
・設定された状況のなかで1番葛藤する
・感情が変化するのに1番時間がかかる
・楽しんでもらえる客層の幅が一番広い!
3つ目はちょっとわからないですが、ログラインではいぶきちの感情の話しか出てこないので主人公はいぶきちにしました。しんさまはキャラ的に葛藤させやすいのですが、ここで主人公をいぶきちにしたので1番葛藤し、1番変化に時間がかかるのはいぶきちにするぞ!と覚悟を決めました。

原始的な動機

原始的な動機とは、生き延びること、飢えに打ち勝つこと、セックスをすること、愛する者を守ること、死の恐怖に打ち勝つことなど、根本的な欲求であるとブレイク・スナイダーは言っています。
今回は全年齢本なので実際に致すわけではないですが、主人公が迎える恋人としての危機とはつまりセックスができるか否か?なのかなとざっくり意識しました。或いは「愛する人から愛を得ること」とか。

④ ビート・シートとボード

ビート・シート

ビート・シートは2時間くらいの映画1本分(脚本110ページ分)を15個に分解し、何ページ目までにどこまで終わらせる必要があるか配分まで決めてある構成です。全部で15個ある小さな分類のことを"ビート"といい、大きく分類したときには三幕構成として扱われます(ビートは5個ずつというわけではない)。Save The Cat!では15個のビートそれぞれにどんな働きがあるか解説はあるのですが、ここでは説明しきれないので省きます。わかりやすいから本を読んでくれ!って感じではあるのですが、一応やってみて感じたメリットとデメリットを。
メリットは分類の細かさです。たとえば序破急(3個)、起承転結(4個)だと分け方が荒いので物語全体に対して1個のビートで扱う情報量が多くなります。それを素人がやるとどうなるか。すべての情報を扱いきれず抜けが生じた結果、おもしろくなくなるんですね。そういうのが回避できます。
デメリットはやはり分類の細かさです。最終的に全体で扱う情報が減るわけではないので、15個の分類を扱い、それぞれが矛盾しないよう調整しなければなりません。

ボード

でも大丈夫!その調整を誰でもできるようにするためにボードがあります。
ボードとは実際に脚本を書き始める前に自分の脚本を目で見てみるための道具だとブレイク・シュナイダーは言っています。今回の私のケースだとネームや箱書きの前の作業ですね。
「シーン、ストーリーの軌道、アイデア、セリフ、ストーリーのテンポ等をボード上で動かしながら試行錯誤し、うまく行くかどうかを確認するのである。」
「まずはボード上で試すことによって、脚本の問題点を発見したり修正したりすることはできる。」
本の中ではこう語られています。(※実際はもっとアツくてオタクっぽいのでめちゃくちゃすきです。)
じゃあ実際の"ボード"ってなんなの?なにやるの?って話ですが、まずはコルクボードやホワイトボード、あるいはスケッチブック等の1枚の面を用意します。これがボードです。なんでも好きな道具を使って良いとのことだったので、わたしはiPadで1枚ベースとなるレイヤーを用意してボードという名前にしました。次にボードに水平の線を3本書き、細長い4つの長方形を作ります。最終的に1列目にはビートの1〜6番目、2列目に9〜9番目、3列目に10〜13番目、4列目に14・15番目が入るように調整していくので、その時の目安です。
これでボードの下地が整いました。あとはカード、付箋、追加レイヤー、筆記用具を使って下記の作業をしていきます。
・タイトルをボードの1番上に貼る
・1枚のカードに1シーンずつ書いて該当するビートに貼る。1シーンとは、屋内or屋外/場所/時間/起こることを簡潔に書けばOK。
 ログラインの時点で思い入れのあるシーンや使いたいネタがあると思うので、とりあえず順番関係なく書くだけ書いて貼る。迷っているアイデアも書く。貼る。(過剰なカードは最終的にまとめることになるので書くだけ書けば大丈夫)
・↑をやると余白がいっぱいあることがわかる。
 さっきまで知らなかったわけだから、知った自分は偉いな……と悦に入る。
・まず埋める余白はボードにある4つの列の最後のカード。ここは重要なターニング・ポイントなので最初に押さえていくといい感じになるらしい。
・他のカードを埋めていく。ビートには「○番目でこうするならX番目はこうなる」みたいなルールがあるからブレイク・スナイダーの言う通りにする(彼は神なので……)
・登場人物ごとにマーカーで色分けをする。しんさまは赤、いぶきちは青、とか。誰と誰のストーリーが絡み合っているのか、また、しんさまだけを見たときに心情の変化や知っている情報に矛盾や抜け漏れはないか?がチェックできる。
 あとはテーマを強調するシーン、繰り返しのモチーフ、脇役のストーリーやなんやかんやを色分けする。自分のiPadにはこの辺りで自分にしかわからないボードができている。
・余分なカードを削る。映画1本分の脚本だったら、カードは全部で40枚、一列に9〜10枚とされている。4枚はお気に入りのシーンのために自由に使っていい。自分のまんがは12ページしかなくて40枚にしたら情報量が多すぎだと思ったのでビート1個につき1枚、合計15枚で調整。
・カードに感情の変化と葛藤を記入する。ブレイク・スナイダーが言うことには、1つのシーンにも始まり・中盤・結末があって、感情がプラスからマイナスあるいはマイナスからプラスに変化しなければならない。そして、物理的でも言葉の上でもなんでもいいけど葛藤がなくてはならない。ということらしい。なので黙ってその通りにします。決まらないならシーンとして完成してないそうな。この辺りでボードはカラフルでごちゃごちゃしたなにかになっている。
・ここまでやると「なんとなくかけそうだな…」という気持ちになってくるので、そういう気持ちになったら終了

⑤ ネーム

ボードをやっているうちにコマのイメージが浮かぶようになったので、箱書きをすっ飛ばしてネームをやりました。ブレイク・スナイダーは神なので各ビートが全体の何割目までに終わるべきか明記しています。全12ページにすることは決まっていたので、電卓で計算してその通りにしました。ありがとう神……。
ボードの段階だといぶきちはてんま以外にきりのやえんどう監督に嫉妬することになっていたのですが、ページがなかったのでてんまだけになりました。こういう取捨選択ができるようになります(ありがとう神……)。
あとは↓の本をめちゃくちゃ読んでいたのでモロに影響を受けました。ありがとう神V2……。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZK8Z4DV/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1


⑥ 下書き

10月J庭で出張編集部に行ってきました!そこで聞いたアドバイスをそのままやってます。
・コマの横幅を狭くする
・髪の毛の線は細くする(普通の線は0.9、髪の毛は0.7)
・素直じゃない受けはかわいい!かわいいエピソードはおおごまで見せる
素直じゃない受けのことめんどくせーなと思っているのですが、かわいいらしいので大コマにしました。

⑦ ペン入れ
⑧トーン

特に新しいことはやってない気がする。(余裕がなかったとも言う)

 

3. 反省

手順のところでもちょこちょこ語っているのであっさりめに。

今回ともだちに読みやすくなったって褒めてもらったのでなにかが効いた。

▼ よかったこと

・作業を始める前に簡単なスケジュールをメモした

ここ2〜3冊スケジュールが死んでいた理由について考えていたのですが、そもそもスケジュールを立てていなかったんですね。死ぬというかまず生まれてないじゃん……と思ったのでやりました。10分もかからないし、時間がないのがわかってよかったです。

・出張編集部行った

レベル低いほど優しい!具体例出してくれる!!!!さいこう!!!!!

・ブレイク・スナイダーの導入

ネームまでの作業テンプレを1つ身に付けたい〜〜〜!というのがずっと目標だったのですが、やっと見つかった感がある。ページ配分という概念がなかったので指定があるのが1番よかった気がします。

・ネームのときにポチごっこを読んでいた。

いままでもネームのときにはすきな作家さんのまんがを読むようにしていたのですが、今回の作った話と相性がよかった気がします。いい雰囲気のシーンをすぐぶち壊す癖が出やすいのでそこだけ注意したほうがよさそう。

▼ わるかったこと

・冬は無気力になりがち

倒れていることがあるので大事な企画は冬にやらない!!!!!!!!!!!!
あとは長期的に見て体力つけてくれ!!!!!!!!!!!!

 

4. おわり

今回はほぼブレイク・スナイダー神……!って感じだったので、気になる人はぜひ買って読んでください。
訳者によるのかもしれないけど、ブレイク・スナイダーの推し方がイベント当日AM 4:00ペーパーみたいなテンションなので小気味良いです。